「第59回食道色素研究会」のご案内

主題
『LSBEに発生した表在型腺癌症例』

従来から逆流性食道炎の多い欧米においてはBarrett食道の増加とともにBarrett食道腺癌の増加が報告されている。わが国においても食生活の欧米化やH. pylori感染率の低下などを背景にGERDが増加し、SSBEを伴う接合部腺癌が増加している。LSBEに伴う腺癌は未だに少ないが、今後は増加に転じると予測される。

LSBEに発生した表在腺癌症例を広く募集したい。現時点で症例を集積し、LSBEに伴う腺癌を綿密に検討し臨床病理学的性質を明らかにすることによって、わが国のBarrett腺癌のサーベイランス手法の確立を期待する。

LSBEの診断基準は食道癌取り扱い規約（第10版）に準じる。病悩期間、逆流症状の程度、LSBEの長さと癌の発生部位、背景粘膜、肉眼型、組織型、粘液形質や免疫組織学的所見などの臨床病理学的特長を明らかにしたい。これを踏まえて、通常内視鏡で注意すべき所見は何か、X線では何が診断できるのか、NBIと拡大内視鏡、超音波内視鏡、Optical coherent tomographyなど最近のmodalityは診断のどの点に有効なのか、さらにはBarrett 食道癌の拾い上げ診断に有用な手法は何か明らかにするべく症例の集積を期待したい。