医療機器「C2 CryoBalloon システム」の適正使用指針
『C2 CryoBalloon システム』は、2024 年 6 月 24 日に以下を使用目的とした汎用冷凍手術ユニットとして承認されました。
本品は、内視鏡的切除後の辺縁遺残や瘢痕上又は近傍の再発で、内視鏡的切除が困難である異形成又は粘膜内にとどまる食道がん病変を有する患者に当該病変を内視鏡下に冷凍アブレーションすることを目的に使用する。
本品の保険適用にあたり、下記のとおり「適正使用指針」を策定いたしましたので、本指針内容をご確認の上、適正にご使用されるよう、ご協力の程、宜しくお願い申し上げます。
なお、『C2 CryoBalloon システム』については、HOYA 株式会社からメリットメディカル・ジャパン株式会社へ譲渡が決まっておりますので、今後の詳細につきましては、下記メリットメディカル・ジャパン株式会社までお問い合せくださいますようお願い申し上げます。
問い合わせ先:https://www.merit.co.jp/contact-us/
メリットメディカル・ジャパン株式会社
〒163-0539 東京都新宿区西新宿 1-26-2 新宿野村ビル 39F
記
1. 品目
・販売名:C2 CryoBalloon システム
・製造販売業者:HOYA 株式会社
・医療機器承認番号:30400BZX00202000
2. 機器概要
① 概要
当機器は、内視鏡のワーキングチャンネルを通じて食道内へ挿入するバルーンカテーテルと、これを操作するコントローラから構成される。内視鏡下にバルーンカテーテルを挿入し、食道病変部でバルーンを膨張させて食道に固定した後、バルーン内のカテーテルシャフトの小孔から対象病変に接するバルーン内表面に向けて高圧の液化亜酸化窒素を噴射することで、対象組織とバルーンの接触面に極低温を生じ、病変部に対して冷凍アブレーションを行うことができる。具体的には、-85℃(バルーン内圧 3.3 psi (23 kPa)時)で気化しながら組織の熱を奪うことにより行われる。

クライオバルーンコントローラとバルーンカテーテル

冷凍アブレーションの様子
② 成績
〔扁平上皮癌に対する成績〕
国内臨床試験として、内視鏡治療後の瘢痕上又は近傍に生じた表在性食道扁平上皮癌患者 15例を対象として有効性及び安全性について非盲検、単群、多施設で評価された(EPOC1902 試験)。主要評価項目の 1 年後の局所完全奏効割合は、100 % (15/15 例, 90% CI; 81.9 %-100 %)であった。治療に関連する有害事象は 4 例(26.7 %)に 4 件発現した。事象別では、食道狭窄が 2 例(13.3 %)、食道痛及び嘔吐が各 1 例(6.7 %)に発現した。なお、CTCAE Grade 3 以上の治療に関連する有害事象は発現しなかった。
〔異形成または非浸潤腺癌を伴うバレット食道病変に対する成績〕
内視鏡的切除やラジオ波治療後の異形成又は非浸潤型腺癌の遺残に対する二次治療については、異形成完全除去割合は、LGD(Low-grade dysplasia)を伴う病変に対しては 89%(16/18)、HGD(High-grade dysplasia;本邦での非浸潤腺癌)を伴う病変に対しては 71%(15/21)であった。1
3. 使用方法
使用にあたっては最新の添付文書の使用方法欄を参照すること。
4. 実施基準
〔実施施設基準〕
・対象とする疾患の治療について、適応にかかる患者選択の妥当性を協議する体制を有す施設であること。
・内視鏡治療に伴う合併症に対応できる施設であること。また、緊急時に適切な処置を講ずる機能を有す施設であること。
・治療後の適切な経過観察及び転帰の観察が可能な体制を有す施設であること。
〔実施医師基準〕
・日本消化器内視鏡学会専門医またはそれに準ずる能力を有す医師
・食道の治療に精通した医師
〔その他〕
・治療対象領域に関連する医学会等と協力し、本品を使用した患者の情報収集に努めること。
5. 留意事項
〔適応に関する事項〕
・以下については、有効性及び安全性は確認されていないため、最新の知見やガイドライン等にしたがって適応を判断すること。
・長径が50mmを超える患者
・周在性が全周性である患者
・頸部食道がんの患者
・放射線療法後の患者
〔機器の使用に関する事項〕
・使用可能な内視鏡:チャンネル内径:φ3.7mm 以上、有効長:1,050mm 以下
・本装置は、食道の内径が20〜30mm の患者に使用するように設計されている。このサイズから外れた内腔における使用は推奨されていない。
・室内の亜酸化窒素(N2O)濃度が過度に上昇しないよう十分に換気し、N2Oガスを吸入しないこと。
・カートリッジをコントローラから外す場合は、高圧のカートリッジから残留ガスが意図せず放出されないよう慎重に取り外すこと。
・本品による治療が困難と判断した場合には、速やかに他の処置を講ずること。
〔アブレーション時間に関して〕
・10秒間の噴射で、約2cm2 の面積にわたって冷凍アブレーションされる。
・内視鏡観察下に病変範囲を同定し病変内を網羅するように、必要であれば重ね合わせて複数回の冷凍アブレーションを行う。
例)尚、重ね合わせの治療の際、冷凍アブレーションする範囲を小さくしたい場合は、噴射時間を8秒に設定する。
胸部中部食道 右壁 35mm cT1a-EP/LPM ➡ 10秒2セッション(白〇)8秒1セッション(青〇)


〔その他〕
・本指針は臨床使用の状況により見直し・適宜必要な改訂を行う。
6. 参考文献
1.Salvage cryotherapy in patients undergoing endoscopic eradication therapy for complicated Barrett’s
esophagus. Spiceland CM et al. Endosc Int Open. 2019.Jul;7(7):E904-E911.
以上








