お知らせ

このお知らせは、平成28年9月23日および平成29年3月24日(再送)に日本食道学会外科系会員へメールで周知したものと同じです。

NCD登録に係る問題点の改善策について

平成29年3月24日

特定非営利活動法人日本食道学会
理事長 松原 久裕
NCD部会 部会長 藤 也寸志
副部会長・担当理事 渡邊 雅之

日本食道学会NCD部会より、NCD登録に係わる日本食道学会会員の皆様へ

ご多忙な日常の中でのNCD登録に対するご尽力、心より感謝申し上げます。食道領域のNCD登録ソフトの設問、選択肢等に関して様々な問題点が指摘され、NCDに質問も寄せられております。これを改善すべく、NCD, 日本消化器外科学会データベース委員会、日本食道学会NCD部会が討議を重ねております。わかりにくい点、明かに不合理な点があることは認識しておりますが、構造上、それらをすぐに改善するわけにもゆかない事情があります。それで少しでもNCD入力内容が正確になるように、運用上ここはこのように解釈していただきたい、ここはこのように対応していただきたいという取りあえずの対応策を取りまとめました。皆様には食道疾患症例入力の際、以下の注意点を踏まえてご入力を戴きますようお願い申し上げます。
なお、日本食道学会NCD部会としては、あいまいな記載のゆえに皆様が判断に迷うようなことの起こらないように、NCDの設問、選択肢自身を速やかに修正してゆくことを引き続きNCDに要求をして参りますことを申し添えておきます。

1)胸部食道に対する術式の入力について

食道切除再建術の術式名には

NQ0591~NQ0593食道悪性腫瘍切除術(消化管再建を伴う)
OQ0043,NQ0595,NQ0596食道悪性腫瘍切除術(消化管再建を伴う)(胸腔鏡下)
NQ0615~NQ0617食道切除術(消化管再建を伴う)(鏡視下)
OQ0027~0029食道切除再建術

という4つのまとまりが、離ればなれに存在しています。それぞれに名称が少しずつ違っていますが、その間の区別があいまいです。さらに、「胸腔鏡下」と言う限定のある名称が存在しているにもかかわらず、各々の設問の中ですべて「内視鏡手術」のチェックの有無が問われるというおかしさがあります。(以下の設問構造はすべて同じ)
この混乱を整理するため、以下のように解釈をして術式選択のレベルで区別をしてください。

食道悪性腫瘍に対する切除再建術

開胸下  NQ0591~NQ0593食道悪性腫瘍切除術(消化管再建を伴う)
胸腔鏡下 OQ0043,NQ0595,NQ0596食道悪性腫瘍切除術(消化管再建を伴う)(胸腔鏡下)
縦隔鏡下 NQ0615~NQ0617食道切除術(消化管再建を伴う)(鏡視下)

食道良性腫瘍、あるいは食道良性疾患に対する食道切除再建術

OQ0027~0029食道切除再建術

これらの術式の入力の中で問われる、「内視鏡手術」のチェックは、最後に「腹腔鏡使用の有無」の設問がありますので、食道切除における内視鏡の使用を問うているのであって、再建において腹腔鏡を使用しただけでは「内視鏡手術」にチェックをしないようにしてください。多くの場合、術式選択の時点で問う必要のない自明の設問となってしまうとは思いますが、その点はご了解ください。OQ0027~0029(食道良性腫瘍、あるいは食道良性疾患に対する食道切除再建術)においては、胸腔鏡下の術式が独立していませんので、内視鏡手術であるか否かのチェックでこれを区別してください。この際も、再建において腹腔鏡を使用しただけでは「内視鏡手術」にチェックをしないという点は同様です。

食道良性腫瘍、あるいは腫瘍以外の食道良性疾患に対する食道切除再建術の入力について迷っておられる方が多いようですが、上記のように、OQ0027~0029 を選択していただき、更に以下の点につきご注意ください。

・病名としては、入院時にしても、術後にしても、食道良性腫瘍なら
大 C00-D48 新生物
中 D13 消化器系のその他及び部位不明確の良性新生物
小 D13.0消化器系のその他及び部位不明確の良性新生物, 食道
あるいは、腫瘍以外の食道良性疾患なら
大 K00-K93 消化器系の疾患
中 K22 食道のその他の疾患
小 K22-8 食道のその他の明示された疾患
を選ぶ。

・食道良性腫瘍なら、「腫瘍の性状」で「良性腫瘍」を選ぶ。
・腫瘍以外の食道良性疾患なら、「腫瘍の性状」で「腫瘍なし」を選ぶ。
・「食道癌組織型」は「その他」を選ぶ。
・「腫瘍占居部位」で、腫瘍でなくても疾患の存在部位を選ぶ。

2)頸部食道癌に対する手術の入力で、うまく実情を反映できない点

NQ0573頸部食道悪性切除術(消化管再建を伴う)(頸部、腹部の操作)
NQ0574頸部食道悪性切除術(消化管再建を伴う)(頸部、胸部、腹部の操作)
NQ0575頸部食道悪性切除術(消化管再建のみを施行)(耳鼻科・頭頸科との合同)

と言う項目があるが、これらを以下のように解釈する。

NQ0573頸部食道悪性切除術 頸部、腹部の操作による切除術と消化管再建術を併施するもの
NQ0574頸部食道悪性切除術 頸部、胸部、腹部の操作による切除術と消化管再建術を併施するもの
NQ0575頸部食道悪性切除術 耳鼻科・頭頚科との合同により消化管再建術のみを施行するもの

主病巣が頸部食道にある癌は、咽頭癌に対する術式であるNQ0591~3, OQ0043, NQ0595, NQ0596, NQ0615~7を選択せず、NQ0573~NQ0575として登録する。

開胸/胸腔鏡や胸骨縦切をしない食道抜去はNQ0573に含める。

胸骨縦切はNQ0574に含める。

NQ0575は、切除・郭清を担当せず、再建のみを担当した場合であり、すべての再建術式を含む。癌腫の切除・郭清を担当せず、再建のための食道抜去を行った場合も、NQ0575に分類する。

NQ0573, NQ0574において、「咽喉頭切除の有無」、「胸部食道切除/抜去の有無」、「血管吻合の有無」の3点を問うことができれば理想的であるが、これはすぐには実現できない変更なので、現状ではこれらの術式の区別はできないがやむなしと考える。

NQ0591~NQ0593、OQ0043、NQ0595、NQ0596の中の、「腫瘍占居部位」の選択肢に、「頸部」があるのが混乱を招きやすく、これを削除し、頸部食道癌はNQ0573~NQ0575のみとしたいが、すぐには対応できないので、入力側でコントロールする。

3)吻合位置の「胸腔内高位吻合」と「胸腔内低位吻合」の定義・区別は何か。

・大動脈弓上縁の高さを基準とし、それより頭側を胸腔内高位、足側を胸腔内低位と判断する。

その他まだまだたくさんの問題が残っておりますが、とりあえず以上が食道学会NCD部会の見解です。食道学会会員の皆様には周知徹底していただきたいと思います。

E-Ring Connect Campaign 2021

日本食道学会はE-Ring Connect Campaign 2021を後援しました。上記バナーより講演プログラムを視聴できます。